テレワークの弊害

 

私の妻は9:00〜18:00デスクワークの会社員です。
極度な痛がりゆえ、(せっかく)鍼灸師の夫がいるのに鍼を受けたがりません。

コロナ禍でテレワークとなり、最初は通勤がなくなり喜んでいた妻でしたが最近イライラしがちで機嫌が悪いです。

私は妻の脈を取り「肝の働き」が弱くなっていることを伝えました。

「肝って肝臓のこと?」と妻の質問に東洋医学でお答えしましょう。

 

一般に肝臓は下記の働きが挙げられます。

1、消化器官から取り入れた糖質、タンパク質、脂質などの代謝(物質の合成、分解、エネルギー放出などの化学反応や物理反応)を行う

2、血液を貯蔵し、循環血液量を調節する

3、糖、ビタミンを蓄える、必要な時に放出する

4、胆汁を生成する、薬物やアルコールなどを解毒する、血液凝固に関わる物質を生成する

5、免疫細胞の働きにより血液中の細菌など異物を取り除く

 

東洋医学では肝は肝臓そのものの働きもそうなのですが、「エネルギーのある血液を隅々まで巡らせるもの」と考えます。つまり、

・細胞はしっかりと栄養を受けて、筋肉は力強くスムーズに動きはじめる

・爪はきちんと栄養が行き渡り艶のあるよい形になる

・目にエネルギーを巡らせてよく見える

・メンタル面においてはしっかりと計画を立て集中して物事を行う

など、血液、筋肉、爪、目の働きやメンタルを含めて肝の働きとして考えます。

肝の働きが悪いということは血液がきちんと隅々まで巡らない、血液にエネルギーが不足していて筋肉を力強く動かせないという不調となって現れるわけです。

また血液が滞るので痛みが起きやすくなります。

眼も疲れやすく、かすむ、乾くなどの不調が起こります。

血液中の水分が少なくなると体内の熱が多くなり、のぼせやすくなるため怒りっぽくなります。

きちんと計画を立てられず集中力もないため焦ってイライラしやすくなるなどのメンタルの不調が起こります。

その他にもエネルギーが少ないために起こる全身の冷えや、上半身は暑く足腰は冷えるなど様々に関連した不調が現れてきますが、この話は長くなるのでまた今度にしましょう。

 

では、テレワークはイコール肝の働きを悪くする要因か、と問われたならば正直分かりません。妻が日中どのように働いているのか、もしくは以前とどう環境が変わったのかは私には分かりません。

ただ、脈を診れば「肝の働きが悪い」ということが東洋医学では分かるのです。

東洋医学は脈や舌や肌などを診ます。辛いお悩みを聞いて、こういった身体から発せられるメッセージを加味しつつ不調の原因を探り、お一人お一人に合わせた施術を行います。

妻の不機嫌は少なからずテレワークの影響があると思っています。

次回は妻に鍼を施した話をしつつ、もう少し私の見解を述べ(てみようかなと思い)ます。