鍼灸治療の流れ

 

1,治療前のカウンセリング

初めての場合 まず簡単な問診票にご自身で記入していただきます。
その後問診票を参考に少しお話を聞かせていただきます。
症状によっていくつか検査をさせていただきます。 身体の動きや神経の検査、血圧などです。

 

2,まずは仰向けで診察をしながら鍼を行います

 

その後仰向けになって お腹の状態、手首の脈、舌の様子を拝見致します。
東洋医学では腹診、脈診、舌診と呼ばれるものです。
手足の冷えや頭の硬さ(頭痛、肩凝りの原因になりやすいです) などを確認後、現在の身体の状態と症状を考慮して お腹、手足、頭などに浅く鍼をいたします。
気持ちのいいものですが、毛穴などに入ってしまうと痛いので その場合我慢せずに教えてください。 治療効果が半減してしまうこともあるので 遠慮はなさらずにお願いします。

 

3,うつ伏せになり、追加の鍼とお灸を行います

その後うつ伏せになっていただき 首、肩、背中、腰、足などに数本ずつ鍼をいたします。
鍼がまだ足りないところにはいくつかお灸をいたします。
最後に全体の調子を整えた後、脈を確認し終了です。
ゆっくりと起き上がりお着替えください。

 

安産施術

鍼灸は安産にも

鍼灸治療は安産にも良いと言われています。
妊娠中は様々な不調が現れやすいです。

妊娠中は自律神経や甲状腺、ホルモンの影響などで普段とは違うお身体の状態となります。

赤ちゃんをお腹の中で健やかに発育するにはできるだけお母さんの身体がしっかりとしていることが重要だと考えています。

私の息子も妻が妊娠中に(仕事をしながらだったのでできる範囲でですが)体調管理をしてくれたおかげで今も元気に成長してくれていると感じています。その中で鍼灸によって身体を整えることができたことも、安産となりその後の成長につながってくれている一つの要因と思っています。

過度な負担にならないよう当院では刺さずに鍼をツボに当てながら操作して身体を整える接触鍼と言う手法と、熱くない心地よい温度のお灸で施術させていただいています。

不安や不調も大変多いと思います。
鍼灸施術が少しでも元気に快適に妊娠生活を過ごされて安心してご出産いただける一助になれることを願っております。

 

逆子のお灸

赤ちゃんが動きやすくなるように

横向きで腰の緊張を和らげる鍼に加えて
(腰と一緒にお腹も和らかくなってきます)
手足のツボを使いお身体を調える鍼をさせて頂きます。
その後、古来より逆子に良いと言われているツボにお灸を行います。

左側にあるふわふわとしたモグサは、細く糸状に指でひねり逆子のツボに使用します。

右側にある円筒状のお灸は、モグサが直接皮膚に触れることなく、ジワーとした温熱効果をツボにもたらす温灸と呼ばれるものです。

 

足のツボへのお灸で赤ちゃんの動きが活発に

横須賀の病院での検討で妊婦さん50名に逆子灸のツボとして知られる至陰、三陰交というツボにお灸をしたところ、50名中ほとんどの例で胎動が増加したというデータがあるようです。実際お灸をするとお母さんから動きが活発になったと聞くことがあります。

回りますと断言はできませんが、70%程の確率で回ると言われています。

週に数回の施術を受けていただき1〜3週間で回ることが多いようです。

※週数が早いほど回りやすく、赤ちゃんが大きくなりお腹のスペースが狭くなってくると回りにくくなると言われています。28週〜31週目までが回りやすいですがそれ以降も回ることはあります。

妊婦さんへの鍼は刺さずにツボに当てて操作する接触鍼と呼ばれる手法で行いますので痛みはほとんどございません。心配でしたらお灸のみの治療をさせていただきますのでご相談ください。

当院ではセルフ灸のアドバイスもさせていただいています。逆子治療にも良く安産にも良いと言われています。ぜひご自宅でもお灸をご活用いただけましたら幸いです。

小児はりについて

お子さんには、刺さないはり「ていしん」を使用します。

<写真>    

上:まようじ  

中:普通のはり 

下:ていしん  

 

先が丸くなっている棒状のはりでやさしくツボを押したり、皮膚をなでたりすることで※経絡を整えます。
(※経絡とは、ツボとツボを結ぶ身体を流れているラインで、主に14本流れています。この不具合が起きているラインによって、イライラしやすい、お腹を壊しやすい、風邪をひきやすいなどの特徴があります。)

はりは0歳から受けていただけます。
自分の不調を言葉にできない幼児に、刺さないはり「ていしん」で心地よく触れることで情緒の安定をはかります。
言葉にはできずとも、経絡には緊張などの変化が現れます。腹診(腹部をトントンとたたいて診る)や肌の様子を診て変化しているところに施術を行います。

小児はりの効果
自律神経のバランス調整、免疫力の増加、成長ホルモンや副腎皮質ホルモンの調整、血行の改善などの効果があることが分かっています。
ぐずり、夜泣き、寝つきが悪い、怒りっぽい、食欲がない、元気がない、アトピーなど、お子さんが発するSOSに気づかれましたら、一度はりをお試しください。

当院では平日11:30~12:30までを小児優先の時間帯として設けており、補助スタッフを用意しておりますが、お子さんの施術には保護者の方に付き添っていただきます。
小児は反応がいいので施術時間は短いのですが、問診や様子を観察する為初回は1時間、2回目以降は30分が目安となります。