運動と体力年齢

運動は大切です。しっかり身体を動かしましょう。

と最近は特に言われていますが、その理由はやはり日本人の平均寿命が延びたことによる医療費の増加や、要支援・要介護者の増加が挙げられると思います。

誰でも高齢になるにつれて病気になりやすく、体力が落ちて身体が動かしづらくなったり、痛みが出現しやすくなってきます。

ではそれを予防するための運動は何にどれくらい効果的なのか?という事ですが、

運動を継続的に実施すると開始前に平均66.4歳だった体力年齢が(実年齢は平均65.9歳)開始3ヶ月で58.4歳、1年で54歳、2年半で52.9歳と実年齢は上がっているにも関わらず、体力年齢は若返っているというデータがあります。                            (久野譜也.今後10年間における運動による健康政策の方向性.体育の科学2007:57(8);572ー579より)

高齢の方の運動で多いのは有酸素運動(ウォーキングやジョギング、自転車など)ですが、これらの運動はメタボリックシンドロームなどによる生活習慣病の改善、予防に効果的です。これは高血圧、糖尿病、高脂血症などから発症する病気の予防に繋がってきます。命に関わることもありますのでとても重要です。

しかしこれだけでは筋力の維持増加には不十分です。高齢になって歩けなくなってしまう理由の一つに筋力の低下があります。特に多いと言われているのが、病気や怪我などで入院した際に、身体の活動量が減ってしまう事で筋力が低下して退院後は以前のように歩けなくなってしまうという事があります。

それを防ぐには、普段から筋力トレーニングを行い十分な筋力を確保しておく事で、同じ期間入院したとしてもしっかりとまた歩く事ができると言われています。

筋力トレーニングは週1回の実施により、1年後も始めた時とほぼ同様の筋量を維持する事ができ、1年間週2回実施すると1年前より高い筋量を示したとのことです。

このことから筋力トレーニングは週1回以上、週2回は継続していくのが望ましいと言えます。

有酸素運動と筋力トレーニングを継続していく事で、病気になりにくく痛みの起こりにくい身体を作り健康な毎日を過ごされることを願っています。

 

参考文献:久野譜也,恒松美香子.中高齢者の健康・体力づくり:中高齢者の鍼灸療法.宮本俊和,冲永修二  編著.医道の日本社,2015