テレワークの弊害2

(気づいたら前回から随分間が空いてしまいました!)

私の妻はもともと快活な性格ですが、冬になりうつうつとしていました。
普段好んで院に来ることはないのですが本人もよほど辛かったのでしょう。
有休を取って鍼之助に来院しました。

もともと痛がりなうえ、メンタルが弱っていると刺激に反応しすぎてしまうことがあるため、
仰向けでは鍉鍼(ていしん)を使いました。

※鍉鍼とは‥金属の棒で身体に刺すのではなくツボを圧したり撫でたりする鍼です。
痛みが苦手な方や子供に使うことが多いです。私の鍼
の手技は経絡治療といい、
ほとんど痛みを伴わないのですが、反応の鋭い方は鍼でなく鍉鍼で充分反応が現れ、
刺激超過(疲れることがあります)が少ないといったイメージでしょうか。

私は必ずツボを決めるときには脈診に加えて腹診も行います。
お腹の硬いところ、柔らかいところ、温かいところ冷たいところ、押されて痛みがあるところなどを確認します。
それらの反応がお腹のどの場所で起こっているかによって、
身体がどういう状態でどの経絡に反応が現れているかの判断材料となります。

妻は冷たい温かいなど極端なところはなかったですが、お腹の左側が硬くなっていました。
その場合は肝の機能が低下していることが多く脈診や他の問診などと総合的に判断します。
(肝臓の位置は身体の右側ですが、東洋医学における肝の機能低下の反応は左にみます)

そして施術後お腹の硬さや痛みが取れていれば、鍼が有効だったと確認できます。
(頑固なものは1度では取りきれないこともありますが‥)

必ずしも症状と直結するわけではないですが、まず全体(土台)をいい状態に整えることで、
症状が軽減しやすくなると考えます。

やはりきっかけはテレワークによるものではないかと私は思います。
例えば通勤がなくなり運動不足になったとか、自宅ではオフィスのようにモニターなどの設備が充実してないので目が疲れやすかったのかもしれません。
同僚とのおしゃべりが減り上手く気分転換がはかれなくなったという些細なことかもしれません。

肝の働きが弱くなり、血の巡りが悪くなり、疲れを感じやすくなる。
さらに肝の働きが悪くなりうつうつとしてくる‥を繰り返し、最初はちょっとした不調だったものが、
「ちょっと」ではなくなってきます。

未病という言葉を聞かれたことがあるでしょう。

長いテレワーク生活で、妻のメンタルは地味にダメージを受け続けた結果、
不機嫌になり、うつうつとした日が増えたのだと思います。

そんな時こそ鍼なのです。
本人でも気付けない原因を探り、弱った機能を回復させるお手伝いを鍼でさせていただきます。
テレワークはまだ続きそうな状況です。
一人でも多くの方が深刻になる前にこの不調に気づくことを願います。